目次
パートナーに浮気の気配を感じたとき、本当に浮気をしているのか真実を確かめたくなると思います。しかし、たとえ実際に浮気していたとしても正直に「してます」と答える人はなかなかいません。
そこで、浮気をしている証拠を掴みたいからと相手の行動がわかるGPSを利用すれば浮気の調査が自分でもできるのでは?と考える人もいるでしょう。
今回は浮気の調査にGPSが利用できるか、GPSの特徴と利用方法、そしてGPSを利用する際の注意点も含めて詳しく解説していきたいと思います。
GPSを利用して、浮気をしているのか真実を知りたい!浮気の証拠を掴みたい!と考えている方は参考にしてみて下さい。
GPSとは?
GPSとは「Global Positioning System」の略称で、日本語では「全地球測位システム」とも訳されます。
そのシステムは複雑ですが、ごく簡単に説明すると、衛星の電波を利用し、位置・距離・時刻などを計算して、現在位置を測位するというものです。
そのためGPSがあれば相手が今現在どこにいるか、どこからどこに向かっているかなどの位置情報や行動がわかるため浮気の調査に利用できると考えられますが、GPSには機械の性質上電波の状況などで誤差が生じる事もあるので注意が必要です。
GPSアプリを利用した浮気調査
現在カーナビやスマホアプリなどでもGPSが利用されていますが、スマホアプリのGPSAは主にスマホの盗難対策や子供の安全のためなどに開発されたもので、これらは基本的に浮気調査を目的に作られている物ではありません。
しかし、主にその端末がどこにあるかを把握するために利用され、端末の持ち主の現在位置を把握することができますので、その機能の特徴から浮気調査に利用する事も可能ではあります。
GPS機能のあるアプリは検索すれば沢山ありますが、よく利用されているものとしては下記が挙げられます。
GPS機能付きアプリ (iPhone、androidどちらも対応)
1. Life360
2. Prey Anti Theft
3. NauNau
4. iシェアリング
5. mspy
6. whoo
7. Snapchat
8. Find My Kids
10.ココダヨ
GPS機能付きアプリ (iPhoneのみ)
1.iPhoneを探す
2.GHOST
3.Homey
4.My Family
GPS機能付きアプリ (androidのみ)
1. デバイスを探す
2. キッド・コントロール
3. Cerberus
無料アプリもあればアプリ内課金があるもの、また有料のものまで多くのアプリが色々な人に利用されています。
このように多種多様のGPSアプリが存在するのですが、利用する際には問題点や注意点もあります。
GPSアプリ利用での問題点
GPSアプリでは位置確認や行動追跡機能に限らず、メッセージや写真データが閲覧できるもの、遠隔で写真撮影ができる物など浮気調査に使えそうな機能が揃っているアプリもあります。
ゆえに調査に利用できれば浮気の決定的証拠を手に入れる事も可能な気はしますが、アプリを利用するには問題点もあるのです。
どのような問題があるか解説いたします。
アプリを入れられない
これらのアプリを浮気しているパートナーがインストールしてくれるかというと…。十中八九入れてくれないでしょう。
行動が把握されてしまったら浮気もバレてしまうでしょうから、お願いしても入れてくれない事がほとんどだと思います。
また、このようなアプリを入れるように言われると、浮気を疑われていると勘づくパートナーもいます。浮気調査は相手にバレずに行うのが鉄則です。
ですので、GPSアプリを入れてほしいと伝える事さえ浮気調査のリスクになってしまうのです。
インストールの促し方としては、「防災用」「紛失時用」またはお子様がいらっしゃるご家庭の場合は「部活や塾などで子供の帰りが遅い時など心配だから」などという理由でアプリをインストールしてくれる事があるかもしれませんが、浮気をしている場合、たとえ入れてくれたとしても肝心の浮気の際は機能をオフにして行動がわからないようにすることも考えられます。
入れたことがバレてしまう
では、どうしたら良いかと考えたときに、他に思いつくのは自分でパートナーのスマホにインストールする方法です。
アプリの中にはインストールしてもアプリのアイコンがホーム画面に表示されない機能を持つものもあるので、インストールさえしてしまえばバレずに利用できるという物もあります。
しかし、インストールができたとしても、アプリを起動するたびに通知されるものや居場所を検索すると検索されたことが通知される物もあるので、そのアプリの機能や利用方法を詳細に知ることも重要です。
居場所確認の際に通知が届く設定になっていて、パートナーに浮気を疑っている事や調査している事を知られるのは避けなければいけません。
インストールすること自体が違法行為になる
アプリのインストールには大抵、IDとパスワードの入力が必要です。
しかし、持ち主の許可なくIDやパスワードを入力し勝手にGPSアプリをインストールすると違法行為になる可能性が高く、サーバーやネットワークに侵入する行為は『不正アクセス禁止法』に抵触する可能性があります。
この法律は、他者のID・パスワードを勝手に利用しネットワークを経由したサービスにログインすることを規制しているもので、罰則は【3年以下の懲役または100万円以下の罰金】です。
また、刑法第168条の2『不正指令電磁的記録・供用罪』という違法行為にもあたる可能性があります。
こちらの法律は、所持者の意図しない、もしくは意図に反した動作をするプログラムの作成や取得などの行為を禁止するものです。
浮気調査に利用できるGPSアプリに関して考えてみると、スマホの所持者(パートナー)が、自らの意思でこれらのアプリをインストールし利用する分には、この法律に触れることはありません。
しかし、パートナーのスマホに無断でインストールし位置情報を発信するようにさせれば、スマホの所持者であるパートナーの意図に反した動きをさせることになります。
そのため、この法律に抵触しかねないのです。
不正指令電磁的記録供用罪が成立すれば【3年以下の懲役または50万円以下の罰金】という刑罰が与えられます。
これらの理由から、GPSアプリは浮気調査に利用する事は可能なものの、アプリをパートナーのスマホへインストールする事の難しさや法律に違反してしまう可能性を考えると浮気調査に利用するにはかなりのリスクが伴う方法となるでしょう。
発信機タイプのGPS機器を利用した浮気調査
ここまでは浮気調査でGPSアプリを利用する方法について言及してきましたが、GPSを利用した浮気の調査では別タイプのGPSを利用する方法もありますので、ここからは発信機タイプのGPS機器を利用した浮気調査の方法について解説していきます。
発信機タイプのGPS機器とは?
アプリの場合、スマホがGPS機器になりますが、このタイプはGPS機器本体を利用する事になります。入手方法としてはネットや家電量販店で購入するか、もしくはレンタルを行っている業者もあります。
浮気調査は長引くこともありますので、そのことも考慮し購入するかレンタルをするか考える必要があります。
どちらにせよ、調査を行う上で機器選びが重要なので、下記のポイントに注目しながら選びましょう。
- 本体サイズ
- 音や振動をOFFにできるか
- バッテリーの継続時間
- 振動検知で移動開始通知の有無
- 防水かどうか
- 磁石で設置したい場所に付けられるか
また、発信機タイプのGPSは大きく「ロガータイプ」と「リアルタイムタイプ」の2種類に分類することができるのでそれぞれの特徴を説明しておきます。
ロガータイプ
このタイプは対象者の行動履歴を取得するものになります。どこからどこまでどのルートで行った、どこに立ち寄ったなど滞在時間も記録されるため行動パターンを調べる事もできます。
位置情報のデータをGPS機器本体に記録するようになっているものが多く、内容を確認するには本体を取り外して確認する必要があります。
リアルタイムタイプ
こちらのタイプのGPSは名前の通り、対象者の現在位置がリアルタイムでわかる物です。スマホやパソコンまたはタブレットなどで現在位置を確認する事ができますが、行動履歴は残りません。
一般的にロガータイプよりリアルタイムタイプの機器の方が高額になる傾向です。これらの特徴を理解し、目的に合ったGPS機器を利用するようにしてください。
GPS機器の設置場所
GPS機器を手に入れたら、次に重要なのは取り付ける場所です。
パートナーがGPSを発見してしまったら浮気調査をしている事に気づかれてしまい、最悪の事態になりかねません。
また、仕掛ける場所によっては訴えられてしまう可能性もあるので取り付ける場所はよく考えて慎重に取り付けるようにしましょう。
では、GPS機器を設置できる場所と設置する際の注意点を解説いたします。
1. パートナーのカバンの中
パートナーが普段から持ち歩くカバンがあれば、それにこっそりと潜ませることで行動がまるわかりになるかもしれません。
ただし、パートナーがカバンの中をまめに整理整頓するタイプであったり、あまり物が入っていない場合は見慣れない機器が入っている事に気づかれてしまう事があるので注意が必要です。カバンの底板があればそれより下に隠し入れるなどの工夫をして絶対に見つからないところに設置しなければいけません。
しかし、浮気をしていてGPSを仕掛けられる事を警戒している場合、すぐに勘づくこともあるのでやはりリスクは高いでしょう。
また、パートナーの所有物にGPSを仕掛ける行為は法律に抵触する可能性があります。
2. パートナーの利用するバイク
バイクは取付場所が少なく取り付けたとしても大きな振動で落下してしまう事があります。強力なマグネットとテープの併用をするなどの工夫をしても埃などの汚れもあってどうしても外れてしまう事があります。
こちらも上記と同じくパートナーの所有物であれば法律に触れるリスクを孕んでいます。
3.夫婦の共有財産である自家用車
パートナーの所有物に取り付ける行為は違法になる可能性がありますが、共有財産であれば自分の物に取り付けているという解釈となるので基本的に違法になりません。
車に設置する際には電波の関係で車内よりも車外に取り付けたほうが正確な位置情報を得られます。設置場所としては、見えづらく日常であまり触らないようなバンパー裏や車の底の部分に、マグネットで付けられるタイプの物で設置する事をお勧めします。
マフラー付近やエンジンルームのなど高温になる場所は故障してしまう事があるので注意してください。
また、防水や防塵加工のない機器などでやむを得ず車内に設置する際は電波が届きにくくなるためGPS精度が劣る事もありますが、車内に取り付ける際にも目につかない後部座席の下にテープで固定するなどしましょう。
バイクや車にGPSを設置する際には、先に車体の下に小銭やハンカチなどを落としておき、万が一取り付けている最中に見つかったとしても、「落としてしまったものを拾っていた」という言い訳を用意しておくと安心です。もしその状況を見られてしまった時には、その後警戒する可能性もあるのでしばらく取り付けるのを見送っておいた方がいいでしょう。
違法行為に注意!
先にも少し触れましたが、GPS機器を設置する際に違法行為を犯してしまう事がありますので、どのような法律に抵触する危険があるのかしっかり理解しておきましょう。
ストーカー規制法【ストーカー行為等の規制等に関する法律】
この法律では、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、つきまとい行為に該当する8つの行為を規制しています。
従来、GPS機器による位置情報の監視はこの法律の規制対象外でしたが、GPS機器の勝手な取り付けによる悪質なストーカー被害が発生したことにより、令和3年5月26日にストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律が公布されました。
これに伴い、令和3年8月26日から
「承諾なくGPS機器などの位置情報を取得する行為」「承諾なく相手の所持するものにGPS機器などを取り付ける行為」も規制対象となりました。
ストーカー規制法は“特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的”というのが前提になっているので、浮気を調査するために行う行為がこの目的に該当するか否かも論点になる思いますが、ストーカー規制法に違反した場合、【1年以下の懲役または100万円以下の罰金】という刑罰が科されます。
プライバシー権の侵害
プライバシー権とは、私生活上の情報を公開されない権利の事を言います。
GPSを断りなく取り付けられ知られたくない私生活の情報を知られた事は、この権利を侵害する行為だから訴えると言ってくるパートナーもいます。
ただし、プライバシー権については刑法で規定されておらず、プライバシーを侵害したからと言って懲役や罰金などを与える刑罰は特にありません。
よって、プライバシー権の侵害で訴えるとすれば民法第709条の不法行為を根拠として損害賠償請求をするようになるでしょう。
プライバシー権の侵害の判断基準としては以下3点が満たされる時に認められる可能性があります。
- 私生活上の事実、または事実として受け取られる可能性のある事
- 一般的な感覚で考えた時に、公開されてほしくないであろうと認められる事
- 一般の人にまだ知られていない事
プライバシー権の侵害が成立するかの判断は難しいですが、GPSで私生活の行動を監視する行為はこれに該当する可能性も十分あるため注意しなければいけません。
器物損壊罪
相手の所有物や公共物を故意に破損させた場合、器物破損罪で罪に問われる可能性があります。
例えば、GPSを取り付ける際に「相手の所有物である自転車の一部にビスなどを使って穴を開けた」などであればこれに該当しますが、自分の所有物であったり過失で傷つけてしまった場合には処罰されないでしょう。
器物損壊罪の刑罰は【3年以下の懲役または30万円以下の罰金】となっています。
不法侵入【住居侵入罪】
正当な理由なく、人の住居や建造物に侵入した場合この罪に問われる可能性があります。
住居や建造物というのは住宅の部屋に限らず、塀やフェンスで囲まれている場所も含まれます。よって、庭や駐車場も当てはまる為、GPS機器を取り付けるために人の駐車場に侵入すれば住居侵入罪が成立してしまいます。
もしGPSを取り付けたい相手と別居であれば、ガレージに停めてある車にGPSを取り付ける際この罪が成立してしまい【3年以下の懲役又は10万円以下の罰金】が科されます。
GPSの証拠は確実な証拠にならない
GPSを利用してパートナーの行動がわかり、浮気の現場を発見したとします。その目で見たのだから浮気をしたことはほぼ確実かもしれません。ただし目撃しただけでは法的には証拠として不十分なのです。
また、GPSの行動記録からラブホテルに長時間滞在していたと推測されるので浮気は確実だと思っても、GPSには誤差が生じる事もあり、その場所に浮気相手といたことが証明できるわけでもありません。
よって、もし裁判で離婚や慰謝料請求をする事になれば浮気を立証するためにもっと確実な証拠を準備しておく必要がありますので
- 肉体関係が証明できる写真や動画など
- 浮気を自白させた音声録音
このような証拠を用意します。
法的にも浮気が立証できる写真や動画とは、肉体関係があったことがわかる物でなければいけません。浮気をしている二人が仲良く歩いている姿やキスをしている姿では肉体関係があるかどうかはわからないのでNGです。そこでよく探偵が証拠として撮影するのは、「ラブホテルへ入るところ」そして「ラブホテルから出るところ」です。これはどちらかではなく両方撮影します。しかも、滞在時間が分かるように日時入りで顔までハッキリと映るように撮影します。
また、浮気を自白させた音声も有効ですが、GPSの証拠を元にパートナーに自白を促しても、GPSを付けられていたことに憤慨し逆に訴えられてしまう事があるので、GPSの情報があるからと自白に追い込もうとするのは得策ではありません。
探偵に浮気の証拠を押さえてもらおう!
GPSを使いパートナーの行動を追う事で浮気の事実を知る事はできそうです。しかし慰謝料請求や離婚を視野に入れているのならば、探偵に証拠を掴んでもらう方が確実です。
浮気している事が判明したのだから証拠も自分で掴もうとすると、全てが失敗に終わってしまう危険性があるからです。
写真や動画の撮影には高度な技術を必要とします。探偵は確かな技術と豊富な調査経験により浮気の確実な証拠を的確に撮影する事ができます。そのスキルは一般人には決して真似をすることができません。もし自分で撮影をしようとしてパートナーにバレてしまえばそれ以降は証拠の写真も撮れなければ関係も悪化してしまうでしょう。
そうなれば慰謝料請求も難しくなり、後に残るのはパートナーと崩壊した関係です。
「バレずに証拠を掴みたい」「慰謝料請求をしたい」「離婚を有利に進めたい」という場合は探偵に頼むのがいいでしょう。
探偵は裁判でも有効な証拠を入手する事ができ、さらに裁判でも提出できる調査報告書を作成してくれます。
浮気調査にかかる費用が気になるという方も多いと思いますが、GPS調査で得た情報を持ち込んで探偵に依頼しようとした場合、浮気に関する情報が何もない状態で依頼するよりも費用を抑えられる可能性があります。
例えば浮気相手とよく会う場所や時間などが既に判明していれば調査時間の短縮にもなり、結果的に費用が安く済みます。
まとめ
GPSを使った浮気調査ですが、GPSアプリを利用した調査は不成功に終わる、もしくは違法行為にあたる可能性が高いためおすすめできません。
もしGPS機器で浮気調査をするとしても、仕掛ける場所には注意が必要です。取り付ける際に触れる可能性のある法律がいくつもありますので相手の所有物への取り付けは避け、慎重に行うようにしましょう。
もしGPSの調査で浮気している事がわかっても、それだけでは明確な証拠とはなりませんので、慰謝料請求や離婚を検討している際は確実な証拠を押さえるようにしてください。
GPSは浮気の証拠を取る為の補助的役割として利用できますが、無理な調査を行うとパートナーにバレてしまい後戻りできない事態に陥ってしまう恐れがありますので、もし不安な点が多いようならば、調査のプロである探偵に相談してみてください。