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人探しをしたい時、探したい人が本当に見つかるか、その発見率については気になるところではないでしょうか?
探したい人を見つける方法としては、自分で探す方法や警察へ行方不明者届(旧・捜索願)を出す、または探偵へ依頼するなどの方法があります。
しかし人探しをして、本当に見つかるの?どれくらいの確率で発見できるの?などと疑問を持っている人もいると思います。
この記事では、探したい人がどのような方法で実際にどれくらいの確率で見つかっているのかデータも参考にしながら紹介していきたいと思います。
警察に届けられる行方不明者は年間どれくらい?
警察庁は毎年、日本国内での「行方不明者の状況」を発表しており、その統計データによると、令和3年中に警察で受理された行方不明者数は79,218名、令和2年は77,022名、令和元年は86,993名となっています。それより過去の行方不明者数に関しても年間8万件を超える数字が並んでおり、毎年多くの方が、親族や密接に関係する人を心配して行方不明者届を出したことがうかがえます。
またこちらの報告書では行方不明になってしまった原因や動機別のデータも掲載されていますが、令和3年における行方不明の原因・動機の構成比として多い順に
- 疾病関係29.4% 23,308名 (そのうち認知症が22.3%)
- 不詳19.9% 15,794名
- その他19.5% 15,477名(遊び癖や放浪癖、犯罪被害・事故遭遇のおそれのあるもの等)
- 家族関係15.7% 12,415名
- 事業・職業関係11.1% 8,814名
- 学業関係2.2% 1,750名
- 異性関係1.6% 1,240名
- 犯罪関係0.5% 420名(何らかの罪を犯し、その発覚をおそれて行方不明になったもの等)
となっており、疾病関係の行方不明者が約3割という大きな数字を占めていますが、はっきりとした理由もわからず行方が分からなくなってしまった人も多くいるようです。
では、行方不明者の届け出を提出した際、どれくらいの人が見つかるのでしょう?
警察で受理された行方不明者が発見される確率は?
同じ警察庁の統計データによれば、令和3年中に行方不明届が受理された行方不明者数79,218名に対し、同じ令和3年中に警察又は届出人によって所在確認できたのは65,657名です。
単純に考えると約83%の行方不明者が発見されたのではないかという事になりますが、この所在確認された者の行方不明者届けが受理されたのは令和3年以前に届けられたもの含まれ、さらに警察が捜索により発見できた数だけではなく、行方不明者が自力で帰宅した数や家族などが発見した数も含まれるため、この数字が直結して発見率になるわけではありません。
そこで、警視庁の行方不明者状況の統計データ(平成28年以前)を見てみると、発見者数も記載されていますので、行方不明者届数と発見者数を参考におおよその発見率を計算すると30~40%程度となっています。こちらも同年以前に行方不明者届が受理されている分も含まれているため、直結して発見率とはなりません。
しかし、警察による行方不明者のおおよその発見率としては40%程度だと推測できるでしょう。
警察による発見率がこの数字に留まる理由の一つに、行方不明者として受理されても特別な捜索が行われない行方不明者と、直ちに捜索される行方不明者がいる事があると考えられます。
警察が積極的に調査してくれる行方不明者とは?
「警察に行方不明者届を出せば探してくれる」と思っている方も多いと思いますが、実は、警察に行方不明者届を出せば必ずしも警察が捜索に動いてくれるわけではありません。警察は毎日多くの届け出を受理しますが、全ての捜索をするに及ばす、早急に捜索をしなければ事件や事故に巻き込まれ命の危険があるとされる行方不明者を優先的に捜索せざるを得ないのです。
この優先的に捜索される行方不明者は『行方不明者発見活動に関する規則』に則り『特異行方不明者』に属されます。
【行方不明者発見活動に関する規則 第二条】
この規則において「行方不明者」とは、生活の本拠を離れ、その行方が明らかでない者であって、第六条第一項の規定により届出がなされたものをいう。
2 この規則において「特異行方不明者」とは、行方不明者のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
二 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
三 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
四 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
五 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
六 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
※引用元:警察庁/国家公安委員会規則・行方不明者発見活動に関する規則
このような条件から、『小さい子』『お年寄り』『病人』『犯罪に巻き込まれる恐れのある者』『命の危険がある者』などはこの特異行方不明者とされることが多いです。『特異行方不明者』として受理された行方不明者は各都道府県に無線指令が下されるなど、捜索が早急に開始され、場合によっては『公開捜査』『鑑識捜査』『警察犬捜査』などの調査方法が取られることもあります。
ここで少し気づくことがあるのですが、行方不明者届に出されている者が行方不明になった原因・動機で一番多かったのが疾病関係(認知症含む)で届出全体のおおよそ3割程度、警察の捜査による発見率がおおよそ3~4割という事は…あくまでも推測になってしまいますが、発見されている方の8~9割程度は疾病関係で行方がわからなくなってしまった特異行方不明者なのではないでしょうか?
そうなると、特異行方不明者の発見率だけで考えれば80~90%となり、かなりの確率で見つかるという事なのですが、それは逆を返せば『一般行方不明者』として受理された際には、警察のデータベース上に登録されるものの、警察が積極的に捜索する事はないので、やはり発見率はかなり低い物になってしまうということなのですね。
このため、行方不明者が見つかるかどうかは行方不明者届を提出して特異行方不明者となるか一般行方不明者になるかが分かれ道になりそうです。
探偵の人探しとは?
ここまで警察の人探しについて解説しましたが、探偵の人探しはどうなのでしょうか?
ここからは探偵の人探しについて解説していきます。
探偵は民間企業のため、公企業である警察とは違う点がいくつかあります。
費用面
警察は税金で運営されているため、捜索をしてもらっても費用は一切かかりません。しかし探偵の人探しは調査をしてもらえばそれ相当の費用を支払う必要があります。
扱える事件
警察は基本的に民事事件を取り扱う事ができず、犯罪などの刑事事件を取り扱います。一方探偵は捜査権や逮捕権もないため、主に民事事件を取り扱います。
調査開始のタイミング
警察は基本的に事件が発生してからか、もしくは事件性があると判断されてからしか動いてくれませんが、探偵は事件が起こっていなくても依頼を受けた時点から調査することができます。
警察と探偵がタッグを組んで事件を解決する事は通常ありませんが、警察が動いてくれない問題でも探偵に証拠を掴んでもらう事によって警察に動いてもらえるようになる事はあります。
探偵は「事件性がないから調査できない」などはないため、警察で一般行方不明者とされるようなケースでも依頼を受けたら直ちに調査を行う事ができます。
探偵の人探しが成功する確率は?
警察の人探しはデータとしてその詳細が公開されているのですが、探偵の人探しは基本的に極秘調査となっているので詳細な情報は公開されていません。そのため正確な数字はわからないのですが、探偵の人探しの成功率は70~90%と言われています。
警察の捜索で行方不明者が発見される確率がおおよそ40%くらいではないかと推測できるのに対し、成功率が70~90%といわれる探偵の人探しはなかなか優秀だと言えるのではないでしょうか。
また、先にも触れましたが探偵は民事事件を取り扱いますので
- 昔の恩師を探してお礼を言いたい
- 債務者が逃げてしまったので探してほしい
- ケンカして家出してしまった家族を探してほしい
- 音信不通の友達が心配
など、事件性がないと思われる人探しも専門的に行っています。
人探しの成功率を上げるには早めの調査開始を!
警察に届けを出すにも、探偵に調査を依頼するにも、情報は新しいに越した事はなく、人探しをするにはスピード感を持って行動する事が大切です。
行方不明者の所在確認は7日までが勝負と言われているほどで、これよりあとはグンと減ってしまうのが統計データからも読み取れます。
※参考:警察庁/行方不明者の状況を元に作成
※所在確認…警察または届出人によって所在確認できたもの
正しい探偵の選び方
探偵は年々増加傾向にあり、令和3年末現在で6693件の届け出がされていますので、いざ探偵に依頼をしようとしても沢山あって、どこを選んでいいか悩んでしまうかもしれません。
また、「本当に探偵って調査してくれるの?」「プライベートな事色々話して大丈夫?」などの不安もあると思いますので、探偵を選ぶ際にどのような点に注意したらいいか、ポイントをお伝えします。
成功率100%の探偵は疑って!
探偵に人探しを依頼しようとした時に、できるだけ成功率が高い探偵に依頼したいと考えるのは当然だと思うのですが、人探しにおいて、成功率100%は正直あり得ないパーセンテージです。
成功率100%と謳っている探偵事務所には何かからくりがある可能性があるので注意してください。
【成功率100%のからくり】
- そもそもむずかしい依頼を受けない
- 調査期間を定めず、みつからなければ調査継続中としてカウントしていない。
- 寿命や事故などで対象者が既に死亡していたと虚偽報告している
- 見つかっていなくても成功としている
探偵業届出証明書があるか
探偵業を営むには警察署を経由し公安委員会に届け出をし、公安委員会から交付された『探偵業届出証明書』を事務所に必ず掲示しなければいけませんので、これが掲示されていない事務所は許可を得ていない悪徳業者の可能性もあります。
探偵事務所に訪問する前でも、ホームページの「会社概要」などに掲載されている「探偵業届出証明書番号」を控え、管轄の都道府県警察に電話をして実在する番号かを確認することで、きちんと実在する探偵事務所である事は明確になります。もし不安を感じるようでしたら確認してみてもいいでしょう。
過去に行政処分を受けていないか
探偵は特別な資格がなくても届出を出して許可書が取得できれば誰でも探偵業を運営できます。ですので、探偵業届出証明書があれば安心というわけでもありません。もし過去に契約者とのトラブルや違法調査などで、公安委員会から営業停止命令や営業廃止命令などの行政処分が下されたことがあれば、各都道府県の警察サイトで過去3年分までは確認する事ができます。
ネット検索の際は『探偵 行政処分 都道府県名』などで検索すると各都道府県警のサイトを探せます。
相談で十分な聞き取りをしてくれるか
悪徳な業者はそもそも調査料を支払ってもらう事を目的とし、きちんとした調査を行わず「見つかりませんでした」と結果だけを伝える事もあります。通常、調査費用は依頼者ごとの調査内容に合わせて決まるので十分な聞き取りが必要なはずですが、相談の時点で話をよく聞いてくれない事務所は、はじめから詳細な調査を行うつもりもなく、話を適当に聞いているだけという事もありますので注意してください。
低料金をアピールし過ぎないか
どうしても安い所に惹かれてしまう人もいると思いますが、安いのにはそれなりの理由があるはずです。本来ならば調査員2名体制で調査をする契約なのに、実際の調査は1人で行うようにしたり、アルバイトの調査員を使って経費をこっそり削減する可能性もあります。
そうなってくると、成功するはずだった調査でも最終的に失敗で終わってしまう事もあるのです。
広告費をかけずに運営し低料金を実現している探偵事務所ももちろんありますが、なぜそんなに安いのか、よく話を聞く必要があります。
実績のある探偵事務所か
運営し始めたばかりの探偵事務所でも、もちろんいい仕事をしてくれる所もあります。
しかし探偵は1日2日でスキルを取得できるようなものではありません。多ければ多いほどいいというわけでもありませんが、それなりの経験や実績があるほうが、結果も期待できます。
探偵との相性
調査するにあたり、探偵と依頼者との信頼関係が大切な部分もあります。探偵は調査をする業務という性質上、様々な聞き取りを行わなければいけないので、どうしても踏み入った話になってしまいます。
人と人とのコミュニケーションですからやはり相性というものは多少なりとも感じる部分があると思います。
「なんだか印象が良くない」「威圧的に感じる」という人よりは、「話しやすい」「親身になって聞いてくれている」と感じられる探偵を選ぶことも大切です。
探偵選びで失敗してしまうと、本当は見つけられたはずなのに見つからなかったという事態になりかねません。料金ばかりを気にして結果がでなければ意味がありませんので、他と比べて安すぎるような場合は気を付けてください。
どこの探偵に依頼するが検討する時は1カ所で決めず数カ所で相談する事で、信頼できる探偵に出会えることもあります。
まとめ
警察の行方不明者捜索では、特異行方不明者に対しての捜索が積極的に行われ、その発見率はとても高い事がうかがえますので、事件性や命の危険がある場合には警察にすぐに相談する事で解決に導いてくれる可能性が高いです。
一方、事件性や命の危険のない人探しにおいては探偵に依頼した方がすぐに調査に取り掛かってもらえますので、見つかる可能性が上がります。たとえば、初恋の人、喧嘩してしまった大切な友人、お金を貸したっきり音信不通になった債務者など、事件性が無くても探偵ならばすぐに調査を開始し見つける事が可能です。
また、探したい人が見つかる可能性を上げるためにも、どこの探偵事務所に依頼するかよく検討することも大切です。
きっとあなたに合った探偵が、あなたの見つけたい人を探してくれますよ!